CommonNoun’s diary

予習をする。原典にあたる。

パラコンパクト多様体の距離化可能性への旅

 パラコンパクト Hausdorff な局所 Euclid 位相空間(位相多様体)が距離化可能であることを、いくつかの距離化定理を経由して示します。10 日くらい前の記事で証明した Moore の距離化定理を出発点とします。

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誕生日 君が私に贈るべき 25+2 のほしいもの、また創作物の募集要項

 2 月 24 日は私の誕生日です。住所を知らないからものを贈ることはできないな、と思った方に朗報があって、以下のリンクから私にギフトを贈ることができます。

Amazon.co.jp

 

 昨年も 1 人から合計 1 品のギフトを受け取っています!

 

 買いたいけど価値がよくわからないものが多いしどれを買って良いのか、という方のためにほしいものリストの商品を古い順に紹介していった後、さらにリストには載っていないほしいものを挙げておくのがこの記事です。

 

 タイトルに書いているとおりそのうち少なくとも 1 つは創作物です。公開が望まれないものは公開しないし、下手でも許容されるあまりない機会なので創作したことがないという人もぜひやってみてください。それについては一番下に書いています。実のところこれが一番ほしいものです。

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パラコンパクト性と Bing-Nagata-Smirnov の距離化定理

 { \displaystyle \sigma } 局所有限開基をもつ正則空間が距離化可能であることの証明をひとつ思いついたので、パラコンパクト Hausdorff 空間の特徴付けとともに書きます。長田によるオリジナルの証明を簡単にしたような感じ、であり新規性は特になかろうと思います。先日述べた Urysohn の距離化定理の証明のうち,同じやり方でこの定理を示せると言わなかった方を推し進めたものであることが見て取れるでしょう。言った方のやり方を真似てみただけですが。

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A-U の距離化定理から Urysohn の距離化定理を導くこと

 1923 年に距離化のための必要十分条件を与える Alexandroff-Urysohn の距離化定理、そして 1925 年に十分条件を与える Urysohn の距離化定理が世に出ました。言明を見ると、前者から後者はすぐには証明できそうにありません。かくして Urysohn の距離化定理で課されるよりも明らかに弱い基底の条件によって距離化を特徴付けたいという問題が現れました。この問題は Stone の定理「距離化可能空間はパラコンパクトである」に示唆を得て Bing と長田と Smirnov によって独立に解かれるのですが、今回は Alexandroff-Urysohn の定理から Urysohn の定理を証明することを試みます。2 通りの証明を与えます。行間多めです。

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Alexandroff-Urysohn の距離化定理

 以前紹介した Urysohn の距離化定理は初等的な距離化定理として有名ですが、あれが最初の距離化定理というわけではありません。今回は最初の距離化定理といわれている定理の話をします。

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Baire の範疇定理、そしてその(おそらく)最初の応用

 2 年ちょい前くらいに、友人から「Dirichlet 関数(有理数全体の集合の特性関数)は連続関数の列の各点収束極限として書けるか?」と聞かれたことがありました。そのときはできるっぽいという結論が出たのですが、実はできません。「単位閉区間上の連続関数の列の各点収束極限は連続点をもつ」という事実の故にです。その事実は私が大好きな定理を使って証明できるのでご紹介します。原論文は読んでいないのでタイトルに書いてあることは憶測です. 


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