読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

CommonNoun’s diary

予習をする。原典にあたる。

関数の連続点の集合について

 Rudin "Real And Complex Analysis" 第 2 章演習問題 2 や宮島『関数解析』定理 2.28 の証明の前段などで出て来る命題とその一般化を考えてみました。あとインターネットで調べると逆についての言及があったのでその一般化も試みました。正直あまり自信がないので論理の飛躍や反例があれば教えてください



命題. 実変数実数値関数の不連続点全体の集合は { \displaystyle G_{ \delta } } となる.

 亜種を伴って時々見かける命題である.宮島では単位閉区間に変数をとった形で出てきており,Rudin では複素数値で言明した後定義域を一般の位相空間に一般化してみよと書いてある.次を示すことができた(つもりである).

 

定理. 位相空間 { \displaystyle X } から距離空間 { \displaystyle (Y,d) } への写像 { \displaystyle f } の連続点全体の集合は { \displaystyle X } において { \displaystyle G_{ \delta } } である.

証明. { \displaystyle X } の開集合 { \displaystyle O } について { \displaystyle \omega (O) \colon = \sup \{ d(f(s),f(t) ) \mid s,t \in O \} },点 { \displaystyle x \in X } について { \displaystyle \omega (x) \colon = \inf_{O \ni x} \omega (O) } とする.まず { \displaystyle \omega (x) =0 }{ \displaystyle f } の点 { \displaystyle x } での連続性と同値であることを示す.

 

 { \displaystyle \omega (x)=0 } とするとすべての正の数 { \displaystyle \epsilon } に対してある開集合 { \displaystyle O \ni x } が存在して { \displaystyle \omega (O) < \epsilon },よってすべての { \displaystyle t \in O } に対して { \displaystyle d(f(t),f(x) )< \epsilon } となる.これは { \displaystyle f }{ \displaystyle x } での連続性そのものである. 

 { \displaystyle f }{ \displaystyle x } で連続であるとするとすべての正の数 { \displaystyle \epsilon } に対してある開集合 { \displaystyle O \ni x } が存在して,すべての { \displaystyle t \in O} に対して { \displaystyle d(f(t),f(x) )< \frac{ \epsilon }{2} } となる.このとき { \displaystyle \omega(O) \le \epsilon } となる.ゆえに { \displaystyle \omega (x) \le \epsilon } がすべての正の数 { \displaystyle \epsilon } について成り立つので { \displaystyle \omega (x) =0 } となる.

 

 正の数 { \displaystyle \delta } に対して { \displaystyle O_{ \delta } \colon = \{ x \mid \omega (x) < \delta \} } とする.これが開であることを示す.{ \displaystyle \delta >0 } とし { \displaystyle x \in O_{ \delta } } とする.{ \displaystyle \omega (O)< \delta } となるような { \displaystyle O \ni x } が存在する.{ \displaystyle O \subset O_{ \delta } } である.なぜなら { \displaystyle y \in O } とすると { \displaystyle \omega (y) \le \omega (O) < \delta } だからである.

 以上より { \displaystyle f } の連続点全体の集合は可算個の開集合 { \displaystyle O_{ \frac{1}{n} } } の交叉として { \displaystyle G_{ \delta } } である. //

 

 最初の命題の「逆」として次のような問題を考える.

問題. { \displaystyle \mathbb{R} }{ \displaystyle G_{ \delta } } 部分集合に対して,それが不連続点全体の集合となるような実変数実数値関数は存在するか? 

 この答えは肯定的である.1999, Kim "A Characterization of the Set of Points of Continuity of Real Function" において次が証明されている.

定理. { \displaystyle X } を,補集合も稠密な稠密部分集合を持つ第一可算空間,{ \displaystyle G } をその { \displaystyle G_{ \delta } } 部分集合とする.{ \displaystyle G } 上でのみ連続な関数 { \displaystyle f \colon X \to \mathbb{R} } が存在する.

 

 証明はその論文を見られたい.そこにおいては孤立点を持たない非空距離空間がこの条件を満たすことが示されている.孤立点を持たない非空半距離空間がこの条件を満たすこともおそらく同様に示すことができる.定義を浚っておく.

定義. { \displaystyle T_1 } 空間 { \displaystyle X } について,{ \displaystyle X \times X } 上の関数 { \displaystyle d } であって,
(1) { \displaystyle d(x,y)=d(y,x) \ge 0 }
(2) { \displaystyle x \in \mathrm{Cl} A \Leftrightarrow d(x,A)=0 }
を満たすものを半距離という.半距離が存在する空間を半距離空間と呼ぶ.

 半距離空間は各点で { \displaystyle \frac{1}{n} } 球の内部が近傍基をなすので第一可算である.

定理. { \displaystyle X } を孤立点を持たない非空半距離空間とする.{ \displaystyle X } は補集合も稠密な稠密部分集合を持つ.

証明は Kim の論文の証明がそのまま通用すると思う.通用しなかったら言ってほしい.疲れたのでこの辺りで締めさせてほしい.