CommonNoun’s diary

予習をする。原典にあたる。

Urysohn の距離化定理とその周辺 その 1

 この記事は春のつどいと先日のクリスマスセミナーで話した内容を書き起したものの前半です。定理を証明します。後半では(反)例を挙げます。Urysohn はふつうドイツ式で「ウリゾーン」と読まれるようですが私はロシア式で「ウリソーン」と読んでいます。この記事は主に寺澤順『トポロジーへの招待』を参考に書かれました。

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2016 年クリスマスセミナー

2016 年 12 月 24-25 日にクリスマスセミナーを行ったのでそれについて記録します。

 発端は 11 月 17 日にクリスマスにセミナーをやりたいという旨発言したら(ツイート削除済み)アルゴドゥー(alg_d)氏が乗ってきたことでした。同月 24 日にツイプラを立てたときは少ししか集まらず、これは開催できないかもなとも思いましたが主にワヘイヘイ(waheyhey)氏の宣伝のおかげで十分な人数が確保できました。

 ただ残念なこともあって、本来はミュッパー(kingjou12345)君にも 1 日目の午前に参加してもらうはずだったところ不手際で部屋がとれず参加していただけなくなるなどもしました。

 そういうわけで迎えた 1 日目は、先述のアルゴドゥー氏とワヘイヘイ氏は来られず、参加者は私と意識(concious77)君、すうさん(k_scheme)、y.(waidotto)氏とあと知らない人の 5 人でした。スピーカー予定の 4 人のうち半分が来れなかった上に、来ていたすうさんも発表の準備はできていないということで、私が話すことになりました。

 内容は春の関西すうがく徒のつどいで話したものほぼそのままのもので、いずれブログに書きます。年内に上がることは期待しないでください。それで 2 時間くらいダラダラ話したところで意識君が話せることがあると言うのでそれを聞きました。これは { \displaystyle \omega _1 } はノンコンパクトだが可算コンパクトという話で、非有界閉集合の性質を用いた証明が与えられました。

 かくして 1 日目を終え、帰って寝て三者三葉の一挙放送を見るなどしました。


 そして 2 日目ですが、すうさんの手引きで数理棟に入ることができたのでそこでやることにしました。参加者は私とすうさん、アルゴドゥー氏、ワヘイヘイ氏(遅刻)、意識君、y. 氏の 6 人でした。知らない人はなんか来る気分が作れなかったそうです。

 

 正門前に集まっているとモース関数さんやリングさんが通りがかって挨拶を交わしたりしました。あちらもクリスマスにセミナーをやっているようです。ロマ数とやらも昨日開催されていたし都数でも何かやるとか聞いたし、至るところでクリスマスセミナーが開かれるなあと感じました。

 まずはアルゴドゥー氏から普遍随伴の話です。すべての概念が Kan 拡張であることを説かれ、すべての概念は Kan 拡張なんだなあと思いました。久しぶりに圏論をやってみる機運が高まります。

 次にその発表の途中でやってきたワヘイヘイ氏から最先端の代数幾何の話がありました。本当に最先端なので内容を呟いたりするのは避けられよとのことだったので、避けておきます。さらにワヘイヘイ氏から三角圏の次元の話があって、これには三角圏知らないながら興味を惹かれました。疲れたようなのですうさんの話をはさんでその後で続きをやってもらうことにしました。

 そしてすうさんから情報幾何の話ですが、そことそこ繋がるのか〜って感じでした。でも今はまだ私にはよくわかりませんね。幾何をやっていってから勉強すると感動できそう。

 さてワヘイヘイ氏の話の続き、と思いきや用事があるとのことで帰っていきました。風のようにやってきて風のように去っていく人でした。次元に関して、いくつかあるかのような口ぶりだったので後で調べてみたら dimension"s" of triangulated categories の記事が出てきて、複数あるのか〜〜って感じでしたね。

 これで発表予定の人の話は終わったわけですが、なんか続く感じになって意識君から meta-Lindelöf かつ可算コンパクトならばコンパクトになるという話がありました。meta-Lindelöf とはメタコンパクトの有限のところを可算に変えたやつです。可算コンパクト空間の点有限開被覆が有限部分被覆を持つことを利用して点可算開被覆が有限部分被覆を持つことを示すなかなか面白い証明でした。これと前日の結果をあわせると { \displaystyle \omega _1 } が meta-Lindelöf でないことがわかるというわけです。

 その次は y. 氏から計算論の結果についての発表です。彼は準備をまったくしていないとのことでしたが無準備で発表ができるのはこういうところだけだと唆して発表させました。内容は、文字列を縦に並べたドミノの有限集合から列をつくって上の文字列と下の文字列が一致するようにせよという問題を解くアルゴリズムは作れないというものです。証明が傑作で、ドミノを使ってチューリングマシンがシミュレートできることを示して例の有名な停止性問題に帰着するとのことでした。

 それですべての発表は終わり、渋谷のピザ屋に食事に行きました。楽しかったです。